ここでは、ライブ配信ソフトである『OBS Studio』の使い方をまとめます。
ゲーム配信やVTuber活動をしたい人に向け、基本の使い方から画質・音質の設定など、この記事の通りにすればライブ配信を開始できるので、参考にしてください。
本記事で取り扱うバージョンは、28.0以降のものです。
OBS Studioとは
『OBS Studio』(以下、OBS)とは、PCでライブ配信をする際に使われるソフトです。
ゲーム配信者・VTuberの配信活動でも広く使われています。
あなたもYouTubeでライブ配信を見てみると、背景画像やBGM、ゲーム画面、カメラ、VTuberアバター、テキストなど…たくさんの要素が表示されているのを見たことがあるかと思います。
あの配信画面を作れるのが『OBS』なんです。
無料で使うことができ、Windows・Mac・Linuxと対応しているOSも網羅されているので誰でも使うことができますよ。
配信はOBSがあればあらゆるサイトで可能になります。
- YouTube
- Twitch
- ツイキャス
- ニコ生
- ミラティブ
- SHOWROOM
- Mildom
- OPENREC
- その他
PCからライブ配信を行うには必須のソフトです。
OBSのダウンロード方法
OBSは、公式サイトからダウンロードができます。
OBSインストーラを公式サイトから、ダウンロードし実行しましょう。
はじめてOBSを起動した際に、「自動構成ウィザード」の設定を求められます。こちらは「キャンセル」で問題ありません。
ここからの内容は動画でも紹介しています
ここからOBSの操作方法や設定方法を紹介していきますが、「実際に操作しているところも見たい!」という方もいるのではないかと思います。
YouTubeで、実際にOBSを操作しながら解説しているのでぜひご覧ください。
OBSで配信画面を作ろう
OBSを使うと、下記のような配信画面を簡単に作ることができます。例として、VTuberの配信っぽい見た目にしてみましたが、ゲーム配信でもおおむね操作は同じです。
- 背景画像
- VTuberアバター
- YouTubeコメント欄
- 「Comments」のテキスト
上記の例では、4つの要素を組み合わせています。操作自体はシンプルなので、これから説明する方法をまずは真似してみてください。
ソースを追加する
「ソース」とは、画面に表示する各要素のことです。アバター・ゲーム画面・テキストなど、画面上に出したいものはソースとしてOBSに読み込む必要があります。
画面最下部の「ソース」にある「+」ボタンで、それぞれの要素を追加していきます。
具体的に何を追加すべきかは下記を参考にしてください。
ソース名 | 使用するタイミング |
---|---|
ウィンドウキャプチャ | ウィンドウの表示に使う。例:Chromeとかお絵かきソフトとか |
ゲームキャプチャ | ゲームの表示に使う。VTuberソフトもこれを使うことが多い。 |
テキスト | 文字の表示に使う。 |
映像キャプチャデバイス | Webカメラやキャプチャーボードの映像を映すのに使う。 |
画像 | 写真や背景画像などの表示に使う。 |
画面キャプチャ | PCの画面全体を映すときに使う。 |
ウィンドウキャプチャや画面キャプチャをするときは、セキュリティに注意が必要です!
「うっかり本名や住所を映してしまった」「DiscordやLINEの通知が映ってしまった」など個人情報漏洩での事件が後を絶えません。
ですので、どうしてもキャプチャしたいときは、
- ブラウザはシークレットモードで映す
- 画面キャプチャは使用しない
など、事前に対策しましょう。
今すぐできる対策や心がけは、下記の記事にまとめています。必読です!
キャプチャするときの注意点
ウィンドウキャプチャや画面キャプチャをするときは、セキュリティに注意が必要です!
「うっかり本名や住所を映してしまった」「DiscordやLINEの通知が映ってしまった」など個人情報漏洩での事件が後を絶えません。
ですので、どうしてもキャプチャしたいときは、
- ブラウザはシークレットモードで映す
- 画面キャプチャは使用しない
など、事前に対策しましょう。
今すぐできる対策や心がけは、下記の記事にまとめています。必読です!
ゲーム画面を映すには
ゲーム画面を表示させる方法とよくある問題への対処法です。
上記は、ゲームキャプチャの設定画面です。
モードを「特定のウィンドウをキャプチャ」にし、ウィンドウを選ぼうとしても表示させたいゲームが存在しない場合があります。
本来であれば、ゲームを起動しているとゲーム名が表示されるはずなのですが、管理者権限の問題で表示されないことがあるんです。
その時は、OBSを一度閉じ、管理者権限で再度起動しましょう。
OBSを右クリックし、「管理者として実行」で起動します。
すると、ゲーム名が表示されることがあるので試してみてください。
それでも表示されない場合は、「ゲームキャプチャ」ではなく「ウィンドウキャプチャ」での表示をおすすめします。
VTuberアバターを表示する
VTuberアバターを表示する際は、OBS上で背景画像と合わせたり、ゲーム画面と合わせたりしたい場合がほとんどかと思います。
その際は、VTuberソフトの背景透過をしなければなりません。
VTuberソフト側でできるものもありますが、できないものもあります。
VTubeStudioやnizimaLIVEでは、背景透過機能がソフト内に用意されています。
なので、OBSでの追加の設定は必要ありません。
主要なVTuberソフトとOBSを組み合わせた詳細な設定は、別の記事にまとめています。まずは各記事をチェックしてみてください。
ソースを組み合わせて配信画面を作る
ライブ配信者のうち、とくにVTuberは画面にたくさんのソースを表示する傾向にあります。
もし、おしゃれなコメント欄やデジタル時計を表示したいならば、当サイトで無料配布している『はいしんツールキット』をご活用ください。
YouTubeやTwitchのコメ欄をカスタマイズできるツールや、デジタル時計ツールなど活動に役立つツールをそろえています。
好みのデザインを選べば自動で生成してくれるので操作も簡単です。他のサイトにはないオリジナルなので、ぜひ見ていってくださいね。
画質や音質の設定をする
『OBS』では配信の画質や音質を変更することができます。
誰しも高画質で配信をしたいものですが、実際は、パソコンのスペックや回線・配信サイトの仕様によって、設定を制限しなければなりません。
「画面が荒くて配信をまともに見れない」「声がこもって聞き取りづらい」といったことを避けるために、しっかり設定しましょう。
ビットレートの設定
ビットレートは高いほど滑らかな映像になる数値です。
画面の動きが激しいfpsゲームなどでは、値が低いと画面がカクカクし、ひどい配信になってしまいます。
- 設定ボタンを選択します
- 出力タブから設定します
- 「出力モード」を「詳細」にし、「レート制限→CBR」、「ビットレート」に任意の数字を設定します
設定する際は、基本を3000とし、PCスペックや回線・配信サイトによって変更しましょう。
ここから細かな設定方法を解説しますが、難しいことは分からん!!という方は…
- まずは3,000
- テスト配信をしてみて、余裕がありそうなら4,000~5,000
- カクカクしてたら2,000
という風にやってみるのもよいかと思います。
ビットレートを設定する際は、下記を基準に設定しましょう。
- 配信サイトのビットレート上限
- 自身の回線速度
主要な配信サイトのビットレート最大値をまとめます。ただし、解像度は1920×1080と仮定します。
ほかの解像度を使用する場合は、各サイトを確認して設定しましょう。下記でリンクも用意しておきます。
配信サイト | ビットレート上限(映像+音声) |
---|---|
YouTube Live | 9,000 Kbps(9Mbps) |
Twitch | 6,000 Kbps(6Mbps) |
ツイキャス | 5,800 Kbps(5.8Mbps) |
ニコ生 | 6,000 Kbps(6Mbps) |
ミラティブ | 1,000 Kbps(1Mbps) |
SHOWROOM | 1,500 Kbps(1.5Mbps) |
Mildom | 6,000 Kbps(6Mbps) |
OPENREC | 5,000 Kbps(5Mbps) |
配信サイトごとのビットレート上限を確認したら、回線速度を測定します。
Internet Speed Test | Fast.com
↑ 回線速度を測定できるサイトです。
うちの回線を測定してみました。
見るべきところは「アップロード」の欄です。
うちはアップロード速度が、750Mbpsでているようです。YouTube Liveの上限が、9Mbpsなので大幅に余裕のある状態といえます。
ですので、ビットレートを設定する際は、「9,000 Kbps」にします。
もしも、アップロード速度が7Mbpsだったとします。
YouTube Liveの上限、9Mbpsよりも低い値ですので、7Mbps(7,000 Kbps)より小さな値にしなければうまく配信できません。
回線速度の7~8割が推奨です。5,500Kbps前後に設定しましょう。
解像度の設定
解像度も高画質配信に必要な項目です。数値が大きいほど高画質になります。
「映像」→「出力解像度」で解像度を変更します。
回線が強い方は「1920 × 1080(1080p)」、回線が弱い方は「1280 × 720」以下にするのが目安です。
正確な推奨値は、前述の「ビットレートの設定」で紹介した、各サイトの情報を参考にしてください。
音声ビットレートの設定
「出力」→「音声」のタブから音声ビットレートを変更できます。
値が高いほうが音質が良くなりますが、各サイトの指定する推奨ビットレートとかけ離れると、音が配信に乗らなかったりロボ声になったり不具合もあり得ます。
下記で主要な音声ビットレートをまとめるので、推奨値を基準に調整してみてください。
配信サイト | 推奨音声ビットレート |
---|---|
YouTube Live | 128 kbps |
Twitch | 128 kbps |
ニコ生 | 96~192 kbps |
ミラティブ | 64 kbps |
SHOWROOM | 96 kbps |
OPENREC | 128 kbps |
ここで紹介できていないサイトの推奨値は、公式サイトに記載がありませんでした。
128 kbpsで試してみてください。
ゲーム音やBGMの音量調整
ゲーム音やマイク音、BGMなど、OBSでは音量をそれぞれ設定できます。
マイクは「音声」のマイク設定から選択できます。
しっかり確認しておかないと、Webカメラ付属のマイクに設定されていたりするので注意です。
配信活動に慣れていない方は、凝った機材を用意できないことが常で、Webカメラのマイクで音質が悪くても、視聴者から指摘されないこともあります。
初配信で意気込んだのに音質が最悪なのは避けたいので、要確認です!
お手軽に始めるには、USBマイクの「HyperX QuadCast S」は、広く人気があり定番の製品です。
オーディオインタフェースを別途購入する必要はないため、簡単で費用を抑えることもできます。
指向性(音を拾う範囲)を調整できたり、マイクのてっぺんにミュートボタンがついており、優しく触れるだけでオンオフを切り替えることができる機能は必見です。(とっさのくしゃみに間に合うので私もよく使っています)
デザインも魅力的なので、デスク環境にこだわりたい方にもおすすめです!
もっと音質にこだわりたい方はLogicoolから出ている「Yeti GX」もおすすめです。
こちらもUSB接続のダイナミックマイクです。
優れたノイズリダクションできれいな声を届けることができます。Logicoolの提供しているソフトと合わせて使うのですが、設定も簡単!音響の知識がない方にも、うれしい仕様です。
最適な音量は?
音声ミキサーで音量を調節できます。
青いラインで音量調整。スピーカーボタンでミュートです。
音量は「緑・黄・赤」のバーで表現されます。
マイクの音量設定をするときは実際に話してみましょう。普通の音量が「黄色バー」のところが適正音量です。
赤色まで行くと音割れしてしまうので、黄色になるように調整します。
また、BGMやゲーム音などの音量は、マイク音声の半分がおすすめです。
ノイズ削除や音割れを防ぐ対策は下記の記事にまとめています。要チェックです。
BGMを用意するには
BGMがあることで配信が華やかになります。特に雑談をするときは、欲しくなりますよね。
配信サイトごとにおすすめのBGM配布サイトをまとめたので、チェックしてみてください。
配信サイトと紐づける
配信をスタートするには、配信サイトのアカウントと紐づける必要があります。
「配信」の設定を開き、サービスを「カスタム」に設定します。
各配信サイトの配信ページに、「サーバー」と「ストリームキー」があるので、そちらをコピペします。
コピペしたら右下の「適用」を押せば設定完了です。
あとは設定を閉じ、「配信開始ボタン」を押せばすぐに配信が始まります。
YouTube、Twitchの人はログインして使おう
YouTubeやTwitchで始める方は、OBS内でログインした方が効率的です。
前述したストリームキーを入力する方法でも配信ができますが、いまから説明する方法の方がおすすめです。
サービスの欄は「カスタム」だけでなく、配信サイトも選べます。
TwitchやYoutubeを選択すると、以下の画面でログインができます。
「アカウント接続」を押して、アカウントにログインしてみましょう。
これだけで、ストリームキーを入れる手間がなくなります。
それだけでなく、新しく「配信の管理」のボタンがトップに追加されます。
「配信の管理」からは、配信のタイトルやサムネイルなどの設定を行えるので、OBSだけですぐに配信を開始することができるんです。
配信途中でタイトルを変えたくなったときなんかも便利ですよね。
また、Twitchでログインした場合は、タイトルやカテゴリ変更だけでなく、コメントもOBS内で見れるようになります。使わない手はありません。
さらに配信画面をカスタマイズする
OBSの機能はここで紹介できないほど豊富です。
当サイトでは、OBSの機能を生かした配信のサポートを行っています。
ほかのVTuber・配信者と差をつける方法を記事にしているのでぜひ見ていってください。
これからVTuberを目指している方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。
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